ひねくれていて弱い。だから、真っすぐ強く届く。

どうしてもどうしても伝えたい。
だから人は言葉を捕まえて、その体に閉じ込めた。
その体の一部であらゆることを声で、空気を振動させて伝えるんだ。

震わしてよ、もっと。その喉で、声で。
指でかき鳴らして、この胸をかき回してよ。
生きてる意味、愛する意味、大事にしてきたもの、失ったもの。
いつもその手にはちょうど砂粒くらいの
小さくて、軽くて、うっかりすると取り落としてしまうくらい
わずかな重量しかなくてなのに強く強くまぶしいくらいの
ぴかぴかの光であたしの真ん中を貫くすごい歌がある。

フロウズン。

弱くて情けなくて、愛して、傷ついて、身勝手なようでやさしくて、照れ屋で、ロマンチスト
そんなおとこの歌。

星の隙間を抜けて、ヒカリの粉を残して彼らの歌が街を走り抜ける。
それはとてもすてきで、あたたかな事実。
どうか、いろんな人の胸でその歌が響きますように。