くつなかの小石。

昨日のことを忘れて
今日をまっさらな気持ちで
生きることが出来たなら
世界は毎日美しい

本当はいつだってそうだったのに
いつからあたしは
つま先に釘付け
うつむいて
深い深い
奥の方へ
目を閉じて何も見ない方が
楽に呼吸できるって
いつから？
いつまで？
どこから？
どこまで？

窮屈なんだ
この靴じゃもうそんなに遠くまではいけないんだ
さっきからつま先に転がり込んだ小石が
痛い。
痛いよ！
ここにいたいよ
生きたい
生きてるのにね
もっと、生きて
行きたいよ。

きみの声
聞こえる場所
風が吹く街
うみのみえる側を向いた
横顔
葉っぱがさわさわざわめいては
しんとする
ゆれる森を流れる小川
その白い泡の間を降りてく
小さくて可愛い赤い花


そんな場所でそういう場所で
二度と会えない会いたい人たちを思い出すょ
そろそろいかなくちゃ
そう
あいにいかなくちゃ。
会いに
愛に
逢いに
愛に
愛のために
愛がために

原っぱの真ん中
あの大きな樹につながろうよ
土の深く深く底の向こう側
空の青く蒼く無限の裏側
身体の奥深く暗い中心
全部はつながって回ってる

夜はいつか終わり
朝がくる
ニワトリの声
切り裂いた空
金いろの光
朝露が
歓喜の涙のごと
すべてを輝かせ
あぁ、そうだ
そうだ
これだこれだ
コレなんだ

だから美しい
今日を終わらせて
何回でもシニ
何回もウマレ
あたしは見る
涙を流す
そうだ