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ある男の一生。 [コトバのプール]

渋谷駅のホームで
両手をポッケにつっこんで
歩いてたんだった

ぼんやりと
うつらうつら
眠いような
春の陽気が
そわそわとそこらじゅうを
這い回る
夕方5:56
夕飯にはまだ早い
明るくもなく暗くもない
真ん中にいるよ

帰り道
たくさんの急ぎ足
あたしは
だらだらと
足を前にだして後ろで蹴って
ちょっと背筋を伸ばして
弾むみたいに
歩いてみる

今日の仕事の熱が
体から蒸発
していくのだ

向こうから赤いダウンジャケットの
男の子が歩いてくる
うつむいて
頭をゆらゆらして
おおきなリュックから
定期がぶらさがってゆらゆら
すれちがった
なんて小さな体
なんて重そうな人生
どこまで行くのだろぅ

そんなことを考えながら
鼻歌
1番ホームの端っこから
電車に乗り込んで
もっと前まで
車両のなかを
行進
前進
左手の優先席には
赤いダウンをきた男の人
足を開いて座っている
大きなヘッドホンで
どんな音楽をきいてるの?
投げ出した足を
飛び越えると
向かい側のホームに
急行が滑り込んできた

1番ホームの車両から降りて
向かいのホームに向かうと
人間がどばっと吐き出された
思わず顔をそむけて
横によけたら
後ろから来た人にぶつかる
その人はそのまま行く
赤いダウンの後姿は
丸い背中で
ちょっと疲れていて
仕事の熱で膨らんで見えた

しばらく見送った後
すっかりがらがらの電車で
あたしは7人がけの真ん中に
すとんと
腰を下ろして
とたんに
眠く・・・なる。

電車の止まる気配で起きて
あわてて立ち上がると
赤いダウンをきた老人が
乗ってきて
あたしの立った席に座った

その人は同じ人で
あたしはそれを
早送りでみた

そういうことだった。

いつもの帰り道なのに
ずいぶん遠くから
帰ってきたような気がした

今日の夕飯はじゃがいも料理にしよう。

*****************************

きょうはねー
のんびり帰宅
寄り道しなかったけど
人間をみてたら
帰り道に本当に6人も
ダウンをきてたんだよ
鈍いいろの赤とか、あざやかな赤とか
赤くてみんな年齢もばらばらで
全部男の人で
もしかして
これ全部同じ人で
この人は毎日何十年も
この駅を使っていて
それがいまいっぺんに
時間を間違えてあるいてたりしてと
思ったのでかいてみた

今日はしんじゃがを蒸かして
キャベツと一緒にあったかいオイルドレッシングで
豚肉と大根をおだしで炊いて
じゃこご飯とはまぐりのみそしるー
あとたまこんにゃく(もらったやつ)

だんだんメニューが春めいてきました!
菜の花とか山菜とか
あーよだれでるぉ


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